20世紀とは何だったのか : 西洋の没落とグローバリズム

キーフレーズ

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目次

世紀とは何だったのかーー、、西洋の没落とグロー リズム目次

文庫版まえがき 3 はしがき 7 第 1 章近代から現代へーーー第一次大戦の衝撃と西欧の悲劇 「近代ーと「現代 , の違いとはーー西欧を中心にして世界を語れなくなった時代 十九世紀世界と一一十世紀世界の断絶ーー文字どおりの「世界ー大戦 第一次世界大戦で帝国主義は終わりを告げていた四 近代社会の誕生は必然の帰結 国際関係の現実主義と市民社会の理想主義 啓蒙主義の使命感とその結末 第一次大戦へのアメリカ参戦の意味 4 ロシア革命が生み出したもうひとつの理想主義ーーー「正ーと「悪」の対立構造 ハランス・オプ・パワーの幻想を打ち破ったヒトラー

ヨーロッパ的なものこそがヨーロッパの衰退をもたらした ヨーロッパが生み出した国、アメリカとソ連の共通項とは ニ 1 チェの真意 第 2 章価値転換を迫られるヨ 1 ロツ。ハ 人間が賢くなりすぎた時代ーーキエルケゴールの批判 C ニーチェの議論が与えた衝撃ーー近代はルサンチマンの社会 ニーチェのニヒリズムの意味ーーー最高の諸価値の崩落 価値の基準を失い、世界は無意味化する 目的の崩壊ーーニヒリズムの三つの形態① 統一の崩壊ーーーニヒリズムの三つの形態②歹 真理の崩壊ーーニヒリズムの三つの形態③ ニヒリズムとは人間の本来あるべき姿 人間は「カへの意志」によって衝き動かされるほかはないめ 新たな価値を創出する「能動的ニヒリズムー

ナチスは西欧文化の帰結である ハイデガーのニーチェ講義 ハイデカ 1 の試み 第 3 章一一ヒリズムと「存在の不安」ーー 世界を定義づけるものは人間である 合理主義では計り知れない非ヨーロッパ世界との遭遇 ハイデガーが直面した問題とは皿 いま、ここに存在することへの驚き 物事に対する人間のかかわり方を問う 世界の内で世界を見る自分ーー「現存在」と「頽落。 「人はみなこうしている」と流され、そして不安になる 来るべき死に向けての決断 歪められたハイデガー思想鵬 第 4 章なぜファシズムが生まれたのかーー根無し草の帰る場所 114 118

現代社会に潜む「ファシズム的なもの」 ファシズムに対する思い込みーーほんとうに「野蛮」な異常行為だったのか鸚 民主主義から派生し、資本主義とは対立していた ナショナリズムとの微妙な関係 階級の崩壊がファシズムを生み出した アイデンティティを喪失し孤立した人の群れ 政治に対する無力感がカリスマ的リーダーを誕生させる 日本の現状ではもはや一一大政党政治など機能しない 達成不可能な大言壮語だから魅力的な無限の運動 なぜ工 リートたちがナチスを支持したのか 5 アイデンティティを担保した国民国家体制 帝国主義が生み出した故郷喪失者たちの行き着く先 本来のナショナリズムには逆行する移民排斥運動 民族自決主義がもたらした東ヨーロッパの不安定 161 159 156

なぜナチスはユダヤ人を強く敵視したのかーーー両者の隠れた同質性 第 5 章「大衆社会」とは何かーー近代主義の負の遺産 大衆民主主義の登場と政治の大転換 マン層の拡大 資本家でも労働者でもないサラリー 文化が商品化され、感動が消失するーーー複製技術革〈 世論を形づくる「模倣の本能」 リッブマンの指摘 客観的に世界を見るなど人間には不可能である 民主主義を支えている世論の実態ーーー逃れようのないステレオタイプ 世界が大衆によって動かされる危うさ 凡庸である自分に価値を見出す大衆の出現ーーオルテガの『大衆の反逆』 政治に持ち込まれた素人の日常感覚 自覚も努力も責務もなしに、生まれながらにして権利をもっているという発想 自分の本性に対する大衆自身の反逆 197 叩 170 172

エリートこそが大衆であるというパラドックス 第 6 章経済を変えた大衆社会ーー貨幣の新しい意味 資本家と経営者が分離する 「余計なもの」が取引される金融市場の拡大 企業内の二つの人格ーー短期的評価にふりまわされる「シンボル経済ー サラリー マンは物価、賃金、雇用の安定を必要とする 大衆社会と大企業体制の蜜月関係 だれもが失業者になりうる不安がますます金融市場化を促す 現代経済は政府が管理していかなくてはならないーーケインズの理論川 不確実な将来に、どう確かなものを取り入れるか叨 お金は単なる交換手段から、将来に対する価値の保蔵機能へ 交換価値しかもたない貨幣の特殊性 お金や金融市場は集団心理に支えられている蹴 224 209

エリート主義の管理通貨制度 経済の長期停滞をもたらしかねない「美人投票」 民主主義と公共事業は両立しないーー大衆社会へのアンチ・テーゼ 第 7 章アメリカ文明の終着占 ~ ーー技術主義とニヒリズム 現代文明としてのアメリカ 「共和主義の精神、は大衆民主主義を警戒する衂 移民社会となり「自由、の観念が変貌する 民主主義が現実から遊離し、理想化されていくプロセス 多文化主義とアメリカの精神の間に矛盾が生じる 自由や民主主義を守るはずのアメリカが、それらを形式化してしまう逆説 アメリカ資本主義の変貌ーー個人的な土地財産から組織的な産業技術へ 大量生産方式がもたらした消費社会 人間を生産プロセスの一環として管理する「技術主義ー 255

「アメリカ人」の大量生産 教育における「技術主義ーとアメリカ人になる方法 経済学の教科書が日本の構造改革を促した 消費社会は人間の欲望のマニュアル化歹 技術主義の普遍化が行き着く先は故郷喪失 途方もなく深刻なニヒリズムに陥ったアメリカ文明 ニヒリズム状態にあることに気づかない究極のニヒリズム 「神々とともに親しくある場所」ーー人間の存在の在処 附論「近代の超克ーという試みーー京都大学最終講義 一近代のパラドクス 「真」と「善」が引き裂かれた近代 ニヒリズムという可能性 272 288

近代は近代の理念を駆逐する 「自由」の帰結としてのインターネット 一一「近代の超克」という試み 文明によって衰退する文化 歴史の危機と「近代の超克ー 世界史の始まり、日本の使命 希望としての西田哲学 おもな参考文献 解説松原隆一郎 345 357 編集協力 , ー荒井敏由紀

奥付

著者紹介 佐伯啓思 ( さえき・けいし ) 1949 年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学大学院経済 学研究科博士課程単位取得。滋賀大学経済学部教授などを経て、 現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は社会経済 学、社会思想史。 おもな著書に「隠された思考』 ( 筑摩書房、サントリー学芸賞 ) 、 「「アメリカニズム」の終焉』 ( T B S プリタニカ、東畑記念賞 ) 、 「現代日本のリべラリズム」 ( 講談社、読売論壇賞 ) 、「「欲望」と 資本主義」 ( 講談社現代新書 ) 、『反・幸福論』「日本の宿命』「正 義の偽装』 ( 以上、新潮新書 ) 、「アダム・スミスの誤算」「ケイン ズの予言』 ( 以上、中公文庫 ) 、「西欧近代を問い直す』 ( p H p 文庫 ) など多数ある。 20 世紀とは何だったのか P H P 文庫 西洋の没落とグローバリズム 2015 年 3 月 17 日第 1 版第 1 刷 京都本部 発行所 発行者 著者 〒 601-8411 京都市南区西九条北ノ内町 11 普及一部谷 03-3239-6233 ( 販売 ) 文庫出版部容 03-3239-6259 ( 編集 ) 東京本部〒 102-8331 千代田区一番町 21 株式会社 P H P 研究所 小林成彦 佐伯啓思 PHP INTERFACE http://www.php.co.jp/ 組版 印刷所 製本所 ⑥ Keishi Saeki 2015 Printed ⅲ Japan 有限会社エヴリ・シンク 図書印刷株式会社 落丁・乱丁本の場合は弊社制作管理部 ( 谷 03-3239-6226 ) へご連絡下さい。 送料弊社負担にてお取り替えいたします。 ISBN978-4-569-76306-4